AACメタデータ

概要

Fraunhofer IIS AAC Metadaten-Generator
© Photo Fraunhofer IIS

放送用オーディオビットストリームで番組に設定された音量、ダイナミックレンジ、およびダウンミックスの制御では、オーディオ専用のメタデータが重要な役割を果たします。デジタル放送サービスで世界的に広く普及しているMPEG-4 AACおよびHE-AACでは、TV番組に対する音量正規化の要望を考慮すると、これらのコーデックが持つ標準化機能としての音量関連メタデータの重要性がますます大きくなります。要望のひとつとして、テレビコマーシャルの音量を、それが付随するテレビ番組の音量と同一にするというものがあります。MPEG4 AACフォーマットは、オーディオコーデックと放送の商用システムで扱う必須のメタデータパラメータすべて(音量制御など)にネイティブで対応しています。また、フラウンホーファーIISは、既存のメタデータや新世代のメタデータのトランスコード実装も提供しています。

音量の正規化

さまざまな番組素材にわたり、番組の主要な構成要素で長期的に一定の平均音量レベルを調整して実現するためにDialogue Normalizationが使用されています。テレビコマーシャルが途中に挿入される長編映画はその一例です。

 

ダイナミックレンジ制御 

ダイナミックレンジ制御(DRC)は、オーディオの最終的なダイナミックレンジの制御を容易にし、個々の視聴要件に適するように圧縮率を調整します。

 

ダウンミックス

ダウンミックスは、マルチチャンネル信号の各チャンネルを、ユーザーのモノーラルスピーカー構成または2チャンネルステレオスピーカー構成にマッピングします。

 

応用

テレビの番組とコマーシャルの音量差に悩まされる消費者からの苦情に対処するために、最近はCALM Act(コマーシャル音量の規制)のような音量管理規則が制定されるようになっています。AACやHE-AACといったオーディオコーデックのAAC ファミリには、CALM Actのほか、EBU R128やD-Bookをはじめとする法規上の音量仕様を満足するオリジナルの放送メタデータを扱う機能が用意されています。

放送事業者とサービス提供業者は、メタデータを使用することで、オリジナルの番組素材が視聴者の下でどのように再生されるかを幅広く制御できます。フラウンホーファーIISのオーディオメタデータトランスコードテクノロジーでは、AACメタデータストリームの新規作成だけではなく、既存のメタデータをAACフォーマットに変換することもできます。

ご利用について

このAACメタデータテクノロジーは、フラウンホーファーのすべてのHE-AACエンコーダとHE-AACデコーダで利用できます。AAC エンコーダには、オプションでフラウンホーファーIISのオーディオメタデータトランスコードテクノロジーを機能追加できます。

 

ソフトウェアライセンスにご興味がありましたら、次のフォームにご記入ください(英語)。

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