AAC-ELD, AAC-LD

概要

品質
© Photo Fraunhofer IIS
品質
ビットレート
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ビットレート
アルゴリズム遅延
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アルゴリズム遅延

遠隔会議およびOTTサービス向けの低遅延オーディオ・コーデック

 

すでに業務用および民生用通信アプリケーションに広く使用されているAAC Low Delayコーデックは、極めて小さい符号化遅延で最大の音声およびオーディオ品質を実現する最先端のMPEG-4オーディオ・コーデックです。

20 kHzのフルオーディオ帯域幅をサポートしているため、IP通信アプリケーションおよびデバイスにFull-HD Voiceオーディオ品質を提供することが可能です。

これらのコーデックは、同じ符号化コアを共有し、それぞれ新しい符号化ツールが追加されているため、互いのスーパーセットと考えることができます。AAC-ELDコーデック・ファミリーのソフトウェアは、完全な後方互換性があるものとされています。

 

チャネル

モノラル、ステレオ、マルチチャネル

 

使用例

テレビ電話:Apple FaceTime
テレビ会議/テレプレゼンス:Cisco、Tandberg、Polycom
オペレーティング・システム:iOS、Android、Mac OS
放送コントリビューション:Telos
規格:TIP、ETSI/Dect、OIPF、N/ACIP

 

新機能

 

AAC-ELDの新しい遅延低減モードにより、48 kHzのサンプリング・レートで符号化遅延を7.5ミリ秒まで低減できるようになりました。この新しいモードは、ISO/MPEG AAC規格に完全に準拠しています。詳細については、技術資料『The AAC-ELD Family for High Quality Communication Services』(6ページ)をご覧ください。

 

アプリケーション

AAC LOW DELAYコーデックの採用/アプリケーション

 

オーバーザトップ(OTT)サービスおよびIPテレビ電話

Skypeなどの通品アプリケーションは、多くの場合、専用音声コーデックで動作します。これらは、音声信号には最適化されていますが、その他の信号(音楽や暗騒音など)には最適化されていないため、提供されるオーディオ品質は限られています。AppleのOTTピアツーピア・テレビ電話サービス「FaceTime」は、音声コーデックの制約を克服するために、Full-HD VoiceコーデックであるAAC-ELDをベースにしています。FaceTimeはほとんどのAppleデバイス(iPhone、iPad、Macなど)で利用できるため、すでに2億台以上のデバイスでサービスを利用でき、現在も増え続けています。

 

ビデオ会議/テレプレゼンス

ビデオ会議/テレプレゼンス・サービスは、以前からオールIPベースのテクノロジーです。これらの市場では、ビデオとオーディオの両方の品質に対するユーザーの期待が非常に高いため、プロバイダーは長年、Full-HD Voiceを標準で選択しています。ほとんどの企業はFull-HD Voiceを提供しており、これらの製品の大部分は、異なるメーカーのデバイス間の相互運用性を保証するためにTIP規格をベースにしています。TIP規格では、狭帯域電話で使用されているレガシーの音声コーデックであるG.711を除けば、AAC-LDが唯一の必須コーデックとして採用されています。

 

放送コントリビューション

従来、遠隔地からの生中継には、パケット損失が存在しない交換型のISDNネットワーク接続が利用されてきました。ISDN接続はDSLインターネット接続やモバイル・ワイヤレス・データ・リンクに置き換わりつつありますが、いずれの接続も信頼性があまり高くありません。IPネットワークはベストエフォート型のネットワークであり、ビットレートの保証がなく、遅延が一定でないため、放送機器メーカーにとって大きな問題であり、放送コントリビューションの性質上からも大きな問題です。AAC-ELDなどの低遅延コーデックは、これらの課題の解決に必要な低ビットレート機能と高品質の誤り補正機能を備えているため、必須の資産となる可能性があります。そのため、Telos Zephyr/IPやComrex Accessなどの放送コントリビューション機器では、AAC-ELDがすでに広く採用されています。

 

今後の通信アプリケーション

 

ホーム・テレプレゼンス

グローバリゼーションは、企業の活動や個人の生活に計り知れない影響を及ぼしています。仕事や生活のパターンの変化により、友人や家族、同僚と連絡を取り合うための、高品質で使いやすいパーソナル・コミュニケーション・ソリューションの必要性が高まっています。低遅延オーディオ・コーデックは、PC、TV、セットトップ・ボックス、携帯電話をはじめとするブロードバンド接続機器に統合された包括的なソリューションの基礎となり得ます。そうした会話には、まるですべての話者が同じ部屋にいるかのような自然さが求められます。フラウンホーファーの低遅延オーディオ・コーデックを使用すれば、サービス事業者やハードウェア・メーカーはそれを実現することができます。

提供状況

以下のオペレーティング・システムは、フラウンホーファーのAAC Low Delayテクノロジーをネイティブでサポートしています。

  • Apple iPhone® SDK
  • Fraunhofer FDK AAC Codec Library for Android™
  • iOS
  • MacOS

以下のソフトウェア・ライセンスが用意されています。

  • PC(Win/MacOS X/Linux)
  • TI C64、OMAP、DaVinci
  • ARM
  • MIPS
  • ADI Blackfin

デザイン・開発キット及び詳細情報はプラットフォームページへ。

 

ソフトウェアライセンスにご興味がありましたら、次のフォームにご記入ください(英語)。

 

特許ライセンス:

特許ライセンス供与は Via Licensing Alliance 社によって管理されています。詳細については https://www.via-la.com/ をご覧になるか、 contracts@via-la.com にご連絡ください.

オーディオ品質および遅延

AAC-ELDは、低ビットレートでも最小限の遅延で優れたオーディオ品質を必要とする通信ソリューションに最適なクラス最高のコーデックです。

AAC-ELDは、第三者によるいくつかの試聴評価試験でG.718、G.719、G.722.1 Annex C(Siren 14)、G.722.2(AMR-WB)、G.722、Silk、Speex、CELTといったコーデックと比較評価されています。これらの試験では、AAC-ELDは競合規格よりも低いビットレートで卓越した品質を実現することが実証されています。

試験結果は、以下のリンクからご覧いただけます。

背景情報

MPEG Layer 3(mp3)やMPEG-4 AACなどの現代の知覚オーディオ・コーデックは、24 kbps程度のビットレートで良好なオーディオ品質を提供します。しかし、エンコーダー/デコーダー・チェーンのアルゴリズム遅延が100 msを超えるため、双方向通信には適していません。G.729などの低遅延音声符号化方式は、満足できる品質が得られるのは音声信号のみで、通常は音楽などの複雑なオーディオ信号では問題があります。

フラウンホーファーIISの低遅延オーディオ・コーデックは、知覚オーディオ符号化の利点と双方向通信に必要な低遅延を両立するように設計されており、音声符号化方式と高品質オーディオ符号化方式のギャップを埋めます。

通常の音声符号器とは異なり、AAC-LD、AAC-ELD、およびAAC-ELDv2の符号化品質はビットレートが高くなると共に向上し、高い明瞭度を実現できます。AAC-LDおよびAAC-ELDのオーディオ品質は、同一ビットレートではITU-T G.722/G.722.1-Cを上回ります。ITU-T pendant G.722.1-C(Siren 14)との構造比較は、AESの論文『MPEG-4 Enhanced Low Delay AAC - A new Standard for High Quality Communication』で述べられています(ご希望に応じて提供可能)。

また、AESの論文『AAC-ELD v2 - The New State of the Art in High Quality Communication Audio Coding』(同様にご希望に応じて提供可能)によれば、G.719はビットレートが2倍でもAAC-ELDv2のオーディオ品質に劣ることが証明されています。

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